Division By Zero

ゼロで割る

反比例の意味

入力データ量とCPU利用率をグラフにしたところ、原点を通らない比例関係にあることがわかった。このx切片の意味を調べようといろいろやっているうちに、入力データ速度とCPU利用率が反比例であることがわかった。

反比例と言えば、普通の会話の中で「負の比例係数を持つ比例」と混同している人が多いと感じていて、きっと同じことを思う人も多いだろうと思い検索してみたら、やはりここに。

英語圏ではどうだろう。ぱっと調べた限りでは、数学的な意味での反比例は「inverse proportionality」、そうでない反比例は「inverse relationship」となっているように思える。価格と需要の関係などでは、「inverse relationship」となっており、単に右下がりであることを示しているようだ。

英語版wikipediaでの「inverse relationship」の説明は、「負の比例係数を持つ比例」となっているが、「引用がない」とされてしまっている。この「inverse relationship」自体の言葉のゆるさゆえに、需要と価格の関係は「inverse relationship」といっておけば問題なさそうだ。

さて、日本語の「反比例」。すぐに、反比例曲線を思い浮かべてしまう人にとっては、「需用と価格の関係が反比例」と言われると、「えっ」と思ってしまうことだろう。「反比例」という言葉を使いたがるのは、「inverse relationship」に代わる、右下がりを示して、かつ、ちょっとかしこまった言葉がない、ということが原因なのではないだろうか。「比例」という言葉は数学以外でも使う。「proportionality」もそうだが、数学の比例関係自体がわかりやすく、誤解の余地が少ないことから、とりたてて問題になることはないと思う。「読んだ本の数に比例して、文章力は増すよね」と言ったところで、2冊から20冊に増やした人の文章力の伸び具合と、200冊から2000冊に増やした人のそれは同じ?とか食い下がらない。

需要と価格の関係は右下がりなだけで「負の比例係数を持つ比例」だとは限らないが、仮にそのようなモデルを考えたとしても「需要と価格は比例する」とは言わないだろう。数学的には誤りでないにしても。とはいえ、個人的には、定数が負の反比例は「反比例」としかいいようがない。

ここに異論がある人がいるのかもしれない。「比例」という言葉から、右上がり・右下がりに関わりなく直線を思い浮かべる人とか、定数の正負に思考を囚われない人が。


このエントリ、ずいぶん書きかけのまま放置していたのだが、冒頭の「入力データ速度とCPU利用率が反比例」って何だったのか思い出せないまま、今日は終了!